☆ホタルの里☆郡山市☆
<夏の夕べはホタルで潤い> 福島県郡山市三穂田町山口字高萱地区
ホタルが棲むせせらぎ「せせらぎを舞う幻想的なホタルの灯り」
 「絶滅の危機。」

◆子供の頃の想い出は、夏の花火大会(本宮町)と蛍捕りに走った田んぼ道だった。昭和40年代まで、郡山市役所付近の畦道で見かけたホタルの乱舞。この辺りからは、磐越西線の列車(農業試験場付近)がよく見えていた。

◆昨夜(6月30日)。近くの林を抜けようとした時、黄緑色の光が前方を過ぎった。立ち止まり、笹竹の上に舞い降りた光の集団をよく見たら、何と大きなホタル(ゲンジボタル)の群れだった。懐かしい想い出が、数十年の時を飛び越えて目の前に広がりました。
◆暫く周辺を観察していたら、近くの小川付近から
盛り上がるように何匹ものホタルが舞い上がってきた。耳を澄ますと、せせらぎの音が聞こえました。こんな所に、ホタルのサンクチュアリ(聖域)が未だ残っていたなんて、少し興奮してしまいました。


幻想ボタルの浮遊次の日(7月1日)。生息環境を調べようと、森の中を流れる小川(笹原川上流)に行ってみた。もちろん、日中のホタル散策ではありませんよ。ホタルの餌となるカワニナを探すためです。昔の安積疎水の水路には、溢れるほどのカワニナが生息していました。そのカワニナが、あちこちに発見。水質は、微量の酸性を提示していたが、森の湧き水に支えられて生き抜いていたのです。郡山市のキャッチフレーズは、「水と緑がきらめく未来都市」でしたよね。夏の夕べを、親と子供がホタルの舞を鑑賞するなんて、いつまでも残して置きたいサンクチュアリです。


「ホタルの種類」
◆ホタルは、世界中に2000種ほど生息しています。ゲンジボタル
日本に生息しているホタルは、ゲンジボタルやヘイケボタルです。幼虫の時期、水中で過ごした後に水辺から岸辺に這い上がり、土中に繭を作り羽化します。このような生態を辿るホタルは、世界でも数種類しかいないと言われていいます。

「源氏と平家
◆私たちが知っていて、よく見かけるホタルは、このうちの「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」です。いずれも水辺に暮らし、幼虫の時期を水中で過ごします。すべてのホタルが幼虫時代を水中で過ごすかというと全くその逆です。日本ではゲンジボタルとヘイケボタルの2種類だけが水中生活、他の種類はすべて陸上で、カタツムリや陸貝をえさにします。ゲンジボタルの幼虫は、清流の流れる水田の水路にすむ「カワニナ」をえさとし、ヘイケボタルは水田の溜まり水にすむ「ヒメモノアラガイ」をえさにして育ちます。

◆こうしてみると「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」は稲作中心の日本の農業とともに繁殖してきた昆虫だといえます。今でこそ、ホタルといえば清流、山奥を連想しますが、もともとはホタルは人里に住み、人間とともに暮らしていて、文明の発達とともに山奥に追いやられた生き物です。ヘイケボタル
「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」を比べてみましょう。なぜ、「ゲンジボタル」「ヘイケボタル」の名前がついたかはっきり分かりません。昔からいろいろな説があるようです。源氏ボタルに対して、負けて暗い平家ボタルといったところでしょうか。ゲンジボタル」は「ヘイケボタル」に比べて大型で、光りも強く、光る周期もゆっくりで、貫祿があります。「ゲンジ」は「ヘイケ」より、いろいろな点でデリケ−トです。

「ゲンジボタル」が幼虫の時に食べる餌は「カワニナ」が主です。
餌がなければ「タニシ」や「モノアラガイ」も食べなくはありませんが、あまり好まないようです。その点「ヘイケ」は淡水の巻き貝なら何でも食べてしまうようです。また、「ゲンジ」は成虫に発生する時期が短く、ほぼ6月ひと月に限られているのに、「ヘイケ」はゲンジを同じころから発生して8月のお盆のころまでつぎつぎと羽化してきます。「ゲンジ」も「ヘイケ」も、さなぎになるときは上陸し、土のなかにまゆを作りますが、「ヘイケ」が気楽に浅い地表にまゆを作るのに対し、「ゲンジ」は気むずかし屋で、気に入った場所を探すのにとても手間取るそうです。これは「ヘイケ」が水田や沼など、あまり水位の変わらないところで一生を過ごすのに対し、「ゲンジ」は清流に住むので、水位の変化でさなぎの時期に流されたりする危険性を持っているためと考えられます。観察によると、ゲンジボタルの幼虫は、大水の出る年にはずいぶん高い所まで上がってまゆを作るということです。

◆ゲンジボタルとヘイケボタルの一匹のメスが産む卵の数は、ゲンジがヘイケのほぼ10倍といわれます。このことからもゲンジがいかに成虫になるまでの死亡率が高いかといことがわかります

 川の環境整備」
昔(昭和40年頃)は、今の郡山市役所あたりでも安積疎水が流れていました。リバー
その頃は、小川の中にドジョウもフナっ子も沢山いた。この地域も、今では人家がぎっしり建て込んできて本来の川は既に無い。
「ホタルの生息条件とは」ホタルの幼虫は、カワニナを餌として成長します。カワニナは、清流を好みますので、生活用水が流れ込む水域では絶滅してしまいます。今では、水田で使用する農薬(除草剤)の影響で、小魚やタニシ。アメリカザリガニまで殆ど見られなくなりました。


「ホタルの採取」
◆ホタルを捕獲して、家に持って帰るような事はしないで下さい。
羽化した成虫はエサを食べず、2週間程の寿命しかありません。
その間に、子孫を残す産卵をします。手のひらで、そっと鑑賞するならOKですけどね。
「ホタル鑑賞心得」
防犯上の理由からも、大人の人や家族の人と出かけましょう。
ホタルが見られる場所は、川に沿ったところが殆どですから、よく知っているような場所でも子供達だけで出かけるのは避けましょう。

「服装と持ち物」多くの方が、自家用車でホタル観賞に出掛けると思います。クツ:足場の悪い所もありますから運動靴などで出かけましょう。雨具:雨の多い時期ですから、雨具も用意しておいた方がよいでしょう。電灯:観賞する場所まで暗い夜道もありますから必需品でしょう。白色のままでは目がくらんでしまうので、赤いセロファンを貼っておくという技もあります。観賞現場に近づいたら、消すことも忘れずに!

写真:デジカメの場合は、手のひらに載せて少し動かしながらシャッターを押し続けます。
(タイトル写真)フラッシュたいてもダメ!周りの人の迷惑になるだけですよ。だから、自分の目で楽しみましょう。

下見:時間があれば、昼間の内に下見をしておくと完璧でしょう。