湖南高原蕎麦をどうぞ召し上がれ! [郡山市湖南町中野生産組合]
◇福島県郡山市湖南町の中野地区は、奥羽山麓の西側に位置する。10月中旬から、大型のコンバインで蕎麦の刈り取り収穫が本格的に始まった。夏の終わりから秋にかけては、寒暖の差が日増しに強まり、標高500mの猪苗代湖から東よりに風が変わります。
この風に乗って、湖水からの朝霧が奥羽山麓に降り注ぎます。蕎麦は荒地でも育ちますが、河川の隣接地や湖の周辺が最適とも言われています。蕎麦は、香りが命です。その香りを大切に収穫しているのが、湖南高原蕎麦を管理しているグループの一つでもある中野生産組合です。
◇7月中旬頃に蒔いた蕎麦は、70日程で収穫期を向かえる。
収穫が始まるとの連絡を受けて、刈入れから蕎麦挽きまで取材してきました。一ヶ月前には、白い絨毯だった畑も、茶褐色となり刈入れを待っているかのようだった。その刈り取る時期を見極めるのが、中野生産組合代表の桑名秀一郎さんだ。諏訪峠に通じる県道67号沿いの広大な畑。管理している総面積は、30haに及ぶ。見渡す限り、殆どが蕎麦畑である。美味しい蕎麦は、粒揃いの玄蕎麦(結実)と香りが一番と言うだけあって、蕎麦にかける熱意が伝わってきます。玄蕎麦の収穫は、葉や茎が枯れてから収穫したのでは、香りも少なく味が落ちてしまいます。下草を見てみると未だ青いのだが、結実してから数日間を目安に刈入れている。これらは、香りが未だ硬い殻の中に閉じ篭っているからである。
刈入れした玄蕎麦を、石抜きの後に磨きをかける。これを脱皮機に入れて殻を取り除いて丸抜きにする。甘皮が付いたままの抜実は、薄い緑色で綺麗な蕎麦実だ。これを素早く小袋に仕分けして、県内外のお蕎麦屋さんに直送している。生産組合では、大型の石臼で挽き立てた蕎麦粉も販売している。石臼の蕎麦粉は、粒子が尖っていますので、つなぎが無くても纏まりが良く粘着力があります。今回は、挽き立ての蕎麦粉を手打ちして、さっそく試食してみました。ほのかに甘く、さわやかな香りが漂ってきます。
これからの季節。福島県内各地では、新そばが振舞われます。 どうぞ、福島の美味な蕎麦をご賞味下さい。
●中野生産組合
福島県郡山市湖南町中野字町頭2810
TEL:024:982:2855
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