■山塊の風味 初夏の奥羽山麓は、緑一色に覆われる。 様々な山野草が開花して、ミツバチ達も懸命に蜜を集めている。 山脈を挟んで、東と西の麓では夏蕎麦が小さな白い花をつけていた。山紫水明な猪苗代湖からの風は、西から東に吹き奥羽山麓の蕎麦畑に潤いと風味を運びます。そこで栽培された浜路から湖南地方の蕎麦の実は、最高に香りの高い蕎麦粉として人気があります。 郡山市郊外西部に位置する逢瀬町。 ここから、林道を上り御霊櫃峠に向う。 その頂上から、今回のトレッキングルート安積山までは、片道二時間超の距離にある。 安積山は、昔から沢山の歌人にも詠まれた裾野が長い美しい山です。正式名は、額取山(安積山(額取山)は源義経が元服した事から額取山という名称が付いた)とも言うが、地元では安積平野を見守る安積山の愛称で親しまれている。 <御霊櫃峠>標高】870m 【行政】福島県郡山市 【経緯度】北緯:37°25′59″/東経:140°11′55″ 【水系】阿賀野川水系大沢川〜阿武隈川水系逢瀬川。 『郡山市西部、同市逢瀬町と湖南町との間にある、奥羽山脈分水嶺にかかる峠。標高868m。御霊櫃という地名の由来は、かつて当地方は度々の凶作に見舞われた。そのため村人はご神体を奉じ、峠の櫃意石に村の安全と五穀豊穣を祈願して御霊櫃と唱え、しだいにそれが定着するようになった。戊辰戦争では、会津藩の防衛拠点の一つであったため、頂上付近には当時の保塁が残っている。』[角川日本地名大辞典] 地元農民からすれば、昔の伝説は別として郡山を中心に安積野の殆どが荒地だった。 奥羽山脈から、阿武隈川までの河川が少なく水量もない。詰まり、水の便が著しく悪かったのである。 その為に、幕末から明治大正時代には多くの溜池が作られた。やがて、猪苗代湖からの安積疎水の開通により大きな発展を遂げたのである。 ■御霊櫃峠の由来となった櫃石は、郡山から峠最上段と下のカーブとの間にある。 |
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■朝の気温は15度前後。 日中の気温は、25度位にまで上昇する予報。 しかし、午後からの雲行きは怪しく一気に悪くなる気配があった。AM:6:00。御霊櫃峠の駐車場から、大将旗山(1056m) を目指した。尾根伝いに歩いていくと、初夏の山野草がいっぱい咲いていましたよ。 トレックの途中で、幸運にも山が大好きと言う二人の女性と知り合った。毎週のように、県内外の山々にトレッキングしているとか。羨ましいですねェ〜。俺なんか、そんなに山に行ってたら足腰が立たなくなってしまいます。 天気予報とは裏腹に、すがすがしい初夏の風景が広がっていた。 安積山よりも高い大将旗山にも、これまた伝説がある。その昔、八幡太郎義家が大旗をこ の山に掲げたことに由来すると云われる。この付近には、高旗山。妙見山。二岐山。いろいろと数あれど、その全てが源氏と平家の戦伝説話からきている。真偽は別として、五穀豊穣を祈る村人の信仰からきているものと思う。 ■御霊櫃峠から、約一時間30分ほどで大将旗山の頂上に着いた。 その距離にして1Kちょっとだが、谷ウツギのピンクの花が咲き乱れていた。 背の高いサラサドウザンツツジが密生する樹木の中は、猪苗代湖からの涼しい風が吹きぬけていて気持ちがいい! 標高は1000m級なれど、高山植物が豊富なのには驚きました。其れともう一つの発見は、福島県では、桧枝岐周辺にしか見られないアサギマダラ蝶が観察する事ができた。 <ギンリョウソウ> 森で見つけた不思議な花。学名:Monotropastrum humile 花期:春〜夏 山地のやや湿り気のある腐植土の上に生える腐生植物です。全体がやや透明感のある白色で,鱗片葉に包まれた姿を竜に見立てた名前です。 秋に出るものはアキノギンリョウソウという。 ■さぁ!次は安積山トレックです。 NEXT |
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●アクセス:郡山駅より福島交通バス「御霊櫃入口」下車。御霊櫃峠まで徒歩2時間(林道でも交通量が多いので徒歩の場合は注意されたい) ●マイカー:高篠山公園向かい御霊櫃林道を左折。御霊櫃峠まで急カーブ多い。所要時間:御霊櫃峠(約20分) ●自然温泉:北の湯。 のんびり温泉。 ● マピオン:大将旗山の周辺地図 ● 国土地理院地図 1/25,000地形図:山潟(南東) ●管轄HP: 郡山市 ● 観光協会: 郡山市観光協会 |