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「直径60pの大型石臼」
■毎分12回転の溝から排出される蕎麦粉は、そのままでも捏ねに入れるぐらいです。しかし、これから更に篩いにかけて仕上がりとなります。香り成分が多い甘皮も一緒に碾いていますので、黄褐色の微粒子が交じります。これが程よい風味を醸し出してくれるのです。
打ち手が蕎麦を碾く為に、自分だけが創作するに適した粉が生まれます。
水廻しや捏ね。切りに納得がいかないときには、何度でも手間隙を惜しまずに調整しています。其れこそが、お蕎麦が好きなお客様に対しての礼儀かと思います。 |
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「でっちり」
■一度目の水廻しは、もう一度粉に戻します。
二度目は、少しだけコゴリができます。三度目は、しっかりと玉にします。
私は素人ながら、水分は控えめに最小限度内で纏めに入ります。其れは切りの裁きよさと、茹で角をキッチリとつくるためでもあります。
■蕎麦粉との語らい。
蕎麦を打つとき、何故か神妙な気持ちになってきます。粉末の粉が色よくまとまり、適度な厚さに伸されていくのを見ると、生きているようにさえ思います。福島では、コネが終わり纏めた状態をでっちりと呼びます。もちろん方言なんですが、でっちりと腰を掛ける。でっちりとした人だ。等と呼ぶ事の意味と同じです。もっと分り易くいえば、どっしりとした!と言う意味でもあります。因みに、でっちりしたケツ(おしり)といわれる事も。悪い意味ではなく、子供が安全に生まれてくる。と言う健康的な意味です。
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