阿武隈川紀行 海.山.川の物語 完結編放送。 11月16日 1時間30分特番 |
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◆福島. 栃木県境となる那須連峰を水源とする阿武隈川は、阿武隈山地の麓に沿って北に向かい、約239kmの流程を経て太平洋に注ぎます。 俳優.中本賢さんを囲んで、メダカの学校ならぬ川の中の小学校?を覗いてみようと、阿武隈川最上流部に位置する福島県西郷村の川谷小学校4年生12人がガサガサに初挑戦! 西郷村立川谷小学校は、自分たちが住む身近なナチュラルフィールドを題材に、阿武隈川を総合学習の場として取り組んでいます。その活動は、源流トレッキングや生物調査。河口となる亘理地区等と、幅広く交流活動を行なっています。 ◆自然環境に恵まれた川辺の学校ながら、ザッコすくいの経験は全員が無いと言う話に、賢さんも愕然! しかし、日本全国都会的スタイルに変貌してきた今、是が現実かも知れない。 こうなったら、ドジョウからアブラハヤまで現物を見せるしかないと感じたガサガサ隊長の賢さんだった。迫る台風をモノトモセズにガサガサを開始となりました。 ◆最初は戸惑っていた子供達も、次々と網の中に飛び込む小魚に無我夢中!女の子も男の子も、我先にとタモ網を片手にガサガサ!その歓声は、昔を偲ぶ呼び声のようだった。昔は男の子の遊びのような気がしたけど、現代では女の子の方が活発でした! ◆調査目標となる小魚や水棲昆虫の数は、10種類と決めたのだが予想よりもかなり上回って15種類も捕獲された。魚の種類によって、どんな場所を好んで生息しているのか。ガサガサの主体となる葦等の密生度は?川石の附着物状態。小さな生物が生きていく為の環境は?等。水辺の生き物は、互いに助け合いながら生きていること等を、子供達一人一人に賢さんが答えていた。 ◆午前中のガサガサ体験教室から学校に戻り、今度は子供達の疑問質問に対しての応答が始まった。この生物にとって、見てきた環境が住みよいのか。下流でも同じ環境なのかな。どんなふうに成長するのかな。限りなく夢は広がっていきました。 環境豊かな地元に住みながら、知らない世界を覗いてしまった好奇心旺盛な子供達。科学的な汚染度調査も必要だが、四季を通じて川底の在住魚に直接見聞きした方が、確かな事を学ぶと思う。 今回の野外授業は、子供達にとって何らかの変化をもたらしたのかも知れない。 子供達全員に見送られて、中本賢さんの野外授業は終りました。川谷小学校の皆さん、今日の体験を忘れないでね!また何処かでガサガサしよう。 |
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◆阿武隈川の大半(約70%)は福島県を縦断しているが、太平洋に注ぐ河口は宮城県亘理町となる。その少し上流部に位置するのが、町の70%が山林と言われる丸森町である。 明治の初期までは、阿武隈川上流から運ばれてくる城下米の集積地であり、当時は船運で潤っていて村だったと聞く。その名残の名所旧跡が、今に残っています。 そんな棚田を、中本賢が訪ねました。もちろん、水路でガサガサさがしたのは言うまでも無い! ◆阿武隈川の道路沿いから、少し登りつめた所に沢尻の棚田が現存していた。急勾配の山間の地に、一個々人間の手で石が積み上げられて構築されたものだ。 今でも、毎年米作りをしている佐藤春三さんに当時のお話を伺いました。米の収穫が終る秋口から春までの間に、石垣を作り続けた。米を作付けするまでに、家族みんなで4年もの時間と労力を積み重ねたと言う。 棚田は、けっして米を作るためだけではない。山間の耕地は、地すべりや鉄砲水の危険が常時つきまとうから、水を蓄える棚田の役割は大きいのです。 石垣の補修は、収穫が終ると直ぐに始まります。草木を根付かせてしまうと、其処から水が染み込んで凍結。その為に膨張して、石組みが崩れてしまうのだそうです。その痕跡は、積み上げられた組み面から様子が見て取れますす。 棚田の水源地は、森の中から引き込まれて溜池に一旦保留される。 上場の田んぼから、下々まで公平に配分しながら流れ降るようになっていた。苦労も多い棚田だけれど、農作業が終っての帰り道。高台から見下ろしながら吸うタバコの味は、これまた格別だと語ってくれました。賢さんが訪ねた時期は、収穫を明日にした黄金色の風景となりました。見るからに美しい棚田だけれど、作る苦労を知れば知るほど土地の思いが伝わってきます。いつまでも残したい日本の風情。そこには、尊ぶ皆の力が備わらなければいつかは滅びてしまうでしょう。
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